そう思う店って結構ありませんか?
「正直、特に美味しくもない」
「特に接客が優れていて心地良いわけでもない」
「特に店内がおしゃれだったり、何か独特なわけでもない」
「めちゃくちゃ安いわけでもない」
「多店舗展開してるわけでもない」
この写真は茶沢通りから路地を入ったところにある大繁盛長崎ちゃんぽん屋さんです。
昼時ともなると、常にお待ち客が並んでいるお店です。
失礼ですが、こちらもその「なんで?」に当てはまるお店です。
味、場所はまあまあですが、愛想の一つもないし、値段もちゃんぽん¥850とチョッと高め。しかし、いつも満席状態。
三茶と言えば、若者の街というイメージ。しかし、駅から3分も歩けば立派な住宅街。結構なお屋敷だってありますし、有名人だってたくさん住んでます。
ということは、昼間も夜もある程度の一通りも見込める駅です。
国道246と世田谷通りに挟まれた地域、通称「三茶中洲地帯」には多くの居酒屋やバーが軒を並べています。
正確な数は分かりませんが、中洲地帯だけでも400?500はあるでしょう。
所謂、「居酒屋激戦区」で、入れ替わりもかなり激しいです。
その他、栄え通り商店街、茶沢通りと飲食店街はだいたい3つに分けられると思います。
業態的には、やはり若者ターゲットの居酒屋が圧倒的です。
こんな街で、約30年ほど前から繁盛店として営業しているお店ですが、先ほど言ったように大したことはありません。(ゴメンなさい)
その理由ですが、その他の大したことないのに流行ってるお店全部に当てはまるわけではないのですが、
”敵の少ないところで勝負している”
ということでしょう。
これって、実は中小企業・個人事業では他の業種も一緒で、所謂「商売の基本」です。
反対のご意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。
”激戦区に飛び込めば、相乗効果もあって最初からある程度の集客が見込める”
という反対意見です。
しかし、これが当てはまるのは広告費や、大幅な値引きサービスができる大手企業のみのことです。
もし、それほど世間的に知名度もない企業がこの「激戦区」、無数の店舗が血みどろの抗争を繰り広げている血の海’レッドオーシャン’に身を投じようものなら、一撃必殺ノックアウトです。
繁華街のど真ん中で大成功というよりは、あんないいところなのに、なんであの店駄目なんだろう?という話の方が周りで多くないですか?
まさにこれは、敵が多過ぎたということです。
反対に、「こんなところなのにこの店いつもいっぱいね!」
これって、結構地方とか行くとより顕著です。なんでもない中華屋さんがいつも大行列!
まさに、敵がいない=他に店がないところで勝負しているということです。
(誤解があると困るのですが、人=客がいないところでやっても駄目ですよ。)
”敵が少ないところで勝負する”
これは、何も渋谷や新宿、新橋や銀座、六本木ではだめだと言っているのではないく、そんな大繁華街でも一歩入った場所である、あるいは業態的にもありふれていない業態ということです。
もちろん、味もサービスも値段もそこそこでないと駄目なのは当然ですが。
言い換えれば「個性があるお店」ということです。
そして、もう一つは2番煎じ、3番煎じでは決してオリジナル商品(店舗)を抜くことが出来ないという商売のジンクスは、飲食業界でも共通のことのようです。
先述のお店を検証してみると、三茶の激戦区から少し離れた茶沢通りから一本入ったところに位置し、今でこそこのお店のちゃんぽん人気にあやかろうと、ちゃんぽん屋さんが数店ありますが、その昔はココだけでした。
そして、ちゃんぽんどころかその昔、三茶にはラーメン屋さんも少なかったのです。
先日、ある飲食店経営者の方と検討中の物件を見に行きました。
そのオーナーさんにとっても、私にしてもほぼ土地勘のない地域でした。
そしてその際、とてもびっくりしたのですが、そのオーナーさんは、ほぼ自分の勘だけで出店かどうかを決定しようとしていました。
もちろん、商売なんて最終的には勘だと思います。
しかし、それはあらゆる手を尽くし、情報を把握した上で下すべき”勘”なのではないのでしょうか?
ぜひ、データの解析もしていただきたいものです。
マーケティングリサーチと言っても、かかる費用はせいぜい2?30万円程度が普通です。(内容によって差はありますが)
数千万円の投資をムダにしないためなら大したことではないと思うのですがいかがでしょうか?
もし、依頼するマーケティング会社がなければどうぞお気軽にお問い合せください。